1400年前からずっと変わらない瓦。ボクがそんな不変な瓦が好きな理由。

こんにちは オカです。
世の中には時代と共に姿、形を変えて行くものもあれば、どれだけ時代が流れようと、昔から不変(変わらないで、ある状態を保つこと。)というものがありますよね。
ボクが日々仕事で接している瓦もそんな不変なものではないのかなと、ずっと思い続けているんです。

瓦の歴史

ここから瓦の何が不変なのかを説明するんですけど、文字数を増やすために 長々と瓦の歴史を語るんで飛ばしてもらっても大丈夫です。
みんなそんなに瓦の歴史に興味ないもんね。
何が不変なのかは最後にまとめるんで、そこだけ読んでもらえれば大丈夫です。

飛鳥時代の588年に朝鮮半島の百済から4人の瓦博士(麻奈父、奴陽貴、文陵貴、文昔麻帝弥)が日本に瓦を伝わったのが約1400年前。
日本で最初に瓦が使用された建物は、蘇我馬子が建てた法興寺(飛鳥寺)で596年に完成し、その後都の遷都に伴って710年に平城京(現在の奈良市)に移転されて元興寺と名前を変えて今も現存しています。

その当時作られ屋根に使われた瓦が今も元興寺の屋根に使われていることは、何度かブログにも書きましたし、実際に目の前で見る機会もあって1400年前から現在まで変わらないで、屋根の上で建物を守る瓦としてあり続けています。

飛鳥時代に日本に伝わり奈良時代に聖武天皇が災害や疫病が流行を仏教によって収めようと、国家鎮静のために「国分寺建立の詔」を741年に、「東大寺盧遮那仏像の建立の詔」を743年に出し、日本各地に国分寺、国分尼寺が建てられることで、東北地方から九州地方まで瓦の製造方法、施工方法が日本各地に広がり、瓦の普及につながっていきますが、平安時代になると技術者不足などが原因で瓦の生産性が落ち、質も低下していくようになってしまいます。

さらに平安時代(794~1185年)になると、真言宗(空海)、天台宗(最澄)などの密教信仰が盛んとなり、山中に寺院を創建するようになっていきますが、これも瓦の衰退の原因となっていきます。

なぜなら山中は瓦の運搬が困難で、平地よりも気温が低いことから質の悪い瓦では寒さに耐えることができずに割れてしまうなどが起こり、瓦よりも運搬が容易で山中での寒さにも対応できる檜皮葺きの屋根へと変わっていっていくようになりことに瓦の需要が減っていきます。

平安時代に衰退する瓦ですが、治承四年(1180年)に平 清盛の命を受けた平 重衡の軍勢の南都の焼打ちによって焼失し東大寺を後白河上皇に東大寺の再建を説いた重源(ちょうげん)が源 頼朝の協力のもと建仁(1203年)に再建させます。

重源は東大寺再建に使う瓦を岡山県の備前で焼き、瀬戸内海を船で輸送し奈良に運んだとされていて、およそ40万枚の瓦を備前で焼いたとされています。
東大寺再建に使われた瓦は創建時の瓦よりも大きくなり、形が工夫されたり、文字が入れられるようになったりと少しずつ瓦に進化が見られるようになります。
またそれまでは平面的だった鬼瓦に角がつくようになり立体的な鬼面鬼瓦が登場するのも鎌倉時代です。
そして徐々に瓦生産の技術が向上してきて大きな進歩を迎えるのが室町時代(1392~1491年)です。鎌倉時代(1185~1333年)に瓦を固定する為の釘穴ができたり、鬼瓦が立体的になってきたりと様々な改良がされはじめるのですが、室町時代の初期に法隆寺の専属の瓦大工だった橘吉重が、釘を打たなくても瓦がズレない工夫として、瓦に突起部分を設けるという画期的な発明をします。
 また橘吉重は瓦の製造に使う粘土に繊細なデザインや複雑な形に適した粘土を選んで使ったり、粘土のことを資料として残したり、瓦に自分の名前を記すなどをして瓦の質の向上に尽力します。
さらに江戸時代になると、1674年に近江(現在の滋賀県)の三井寺というお寺で仕事をしていた西村半兵衛という瓦屋さんがそれまでは丸い瓦(男瓦)と平たい瓦(女瓦)が別々になっていた瓦を一つの瓦にした今の瓦の原型にもなっている新しい画期的な瓦を発明しました。
丸い瓦(男瓦)と平たい瓦(女瓦)が別々になってる本葺き瓦

丸い瓦(男瓦)と平たい瓦(女瓦)が別々になってる本葺き瓦

西村半兵衛が考え出した瓦が原型となっている現在の瓦

西村半兵衛が考え出した瓦が原型となっている現在の瓦

不変な曲線美

と、ここまで瓦の約1400年の歴史を約1400文字で書いてきたわけですが、瓦の何が不変なのか?

それは渡来した当時から延々と変わることのない土を練って乾燥させて焼いて作るという製造方法というのもさることながら、やっぱりボクの考える瓦の不変な理由は、多少は変わったけど今も屋根の上で雨を受け、雨を流すためのその形。

雨を受け流すその形。

そうほぼ全世界の瓦で共通している雨を流すための曲線!

そうそれは決してシャープとは言い難いし、エッジも効いていないなだらかな曲線。

 

 

 

なだらかな曲線美

なだらかな顎の曲線美

 

そうそれは何事も受け流すような曲線。

どんな状況でも見るものを虜にする曲線。

見るものにどこか安心感を与え、見るものを飽きさせない愛すべき曲線。

そんな曲線美こそが、瓦が長い歴史の中で変えていない不変なもの。

そんな曲線美がボクが瓦を好きな理由。

 

FullSizeRender

 

はあーー
やっぱり曲線美が好きだわーー!


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岡 公司
播州瓦工業株式会社 専務取締役 ゴルフ好きな屋根屋の岡 公司です。 屋根工事という仕事を通じて屋根に関すること、瓦の独自の価値をもっと伝えたいという思いでブログを書いてます。 仕事と同じくらい、いや仕事よりも好きだったりするゴルフのことも発信してたりもして、とにかく自分の好きな事、楽しい事をFacebook、Twitter、Instagram、ブログ、ニュースレターで発信しています。

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