自治体が瓦から軽い屋根材にすることを推奨する?

自治体が住宅の耐震化を進める一環として、瓦から軽量の屋根材(スレート系屋根材、金属系屋根材)に葺き替えた場合に補助金を出す。

以前からこのような制度がある自治体があります。
実際にうちの会社でもお客さまがそのような制度を利用して屋根の葺き替え工事をしたことがあります。
しかしそれは、家自体が古く耐震性に問題があるために、屋根を軽くすることで耐震性が高くなるという診断があってのことです。

なんの制約もなしに屋根を軽くすることに補助金を出していると

先月群馬県高崎市で、耐震診断や築年数の制約なしで、瓦を軽量屋根材に葺き替えると工事費用の半額を補助するという緊急耐震対策事業が始まりました。

建築物の耐震性を高めるための工事として、屋根を軽量化する工事に要する費用の一部を予算の範囲内で補助します。

住宅(居住部分の床面積が2分の1以上の併用住宅を含む。)の屋根面積の半分以上について、瓦から金属板等の軽量な屋根材へ葺き替える工事であること。
※軽量な屋根材とは、カラー鉄板、ガルバリウム鋼板、薄型スレート(化粧スレート、コロニアル等)を指します。また、これら以外の屋根材で、商品カタログ等で20kg/平方メートル以下のものであれば、材種を問わず軽量な屋根材として対象となります。

高崎市ホームページより引用

もちろん家の耐震性を高めるために屋根を軽くするとういうのは有効な手段です。
けど、ただ単に屋根を軽くするだけで、耐震性が上がって地震で倒壊しないというものでもない。

「屋根を軽くするだけでいいの?瓦屋根はなくなってしまうの?」

屋根を軽くするだけでいいの?瓦屋根は無くなってしまうの?
瓦関係者が集まる会合、セミナーで必ず出てくるフレーズ 「なんとかしないとこのままではどんどん瓦屋根が減っていく」 「地震のたびに...

自治体が地震に耐える家にするために屋根を軽くしましょうって呼びかけるのに反対するわけじゃないけど、ちゃんと対象の住宅の耐震診断をして、屋根を軽くすることで耐震性が上がることを確認した上でしてほしい。

今回の高崎市の緊急耐震対策事業の中での屋根改修工事については、耐震診断の必要なく、住宅の築年数も問わないらしいんです。

瓦屋根の新築の住宅で耐震性があっても葺き替え工事の半額を補助するんです。

「それってちょっとおかしくないですか?」

自治体が地域の住宅の耐震化を急ぐ必要もわかりますけど、まずは住宅の築年数に合わせた耐震診断を行って、耐震性を高くするために屋根を軽量化することが有効だとわかった上での事業にするべきだと思います。

じゃないと、今のままでも十分に耐震性のある住宅の屋根を軽くしてたら、本当に耐震性を高くするために屋根を軽くする必要な住宅に予算が回らない可能性がありますよ。

ちゃんと理解して、知って欲しい

こういった制度、事業を決める自治体の人にもう少し屋根材と耐震性に関することに知識を持って欲しいな。

なんでもかんでも屋根を軽くすればいいってもんじゃないってことを理解して欲しいな。
重いと言われている瓦屋根でも、施工方法で住宅の耐震性を高めることができることを知って欲しいな。


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岡 公司
播州瓦工業株式会社 専務取締役 岡 公司です。 生まれ故郷、国産みの島淡路島の土から生まれる瓦の独自の価値をもっと伝えたくて瓦の価値を伝えることをメインにブログを書いてます。 自分の好きな事、楽しい事をFacebook、Twitter、Instagram、ブログ、ニュースレターで発信しています。 エクスマ75期 ニックネームは小池さんです。