たとえ苦い経験でも無駄な経験ではなかった過去の経験。

自分が過去に経験してきたことは絶対に他人には経験できない。
それがいい経験でも苦い経験だとしてもそれがネタになる。なんなら苦い経験の方がネタになる率が高い。

「人は他人の過去に興味がある」とは壁下塾長の言葉。
確かにそうかもしれない。いやそうだな。
面識のない人や初対面の人の過去にはあまり興味はないけど、ある程度気心のしれた人、何度か飲みに行ったりしてる人、どんな仕事をしているのか知ってる人の過去には興味がある。仕事そのものよりもなんでその仕事を選んだのか、選んだ過程に興味があったりする。

まあボクの場合は父親の会社なので仕事を選ぶ過程には特に理由も何もないんだけど。
それでも大学を卒業してすぐに屋根屋になった訳ではなくて、2つほど他の仕事を経験してるんです。
最初の会社は地元でホームセンターや本屋、レンタルビデオショップ、DPEショップ、100均などを展開していた会社で大学生の頃にその会社のレンタルビデオショップでバイトをしていた縁でそのまま卒業後に社員になりました。ちょうどバブル経済が崩壊して就職氷河期が始まった年で全く就職先がなかったからとりあえずで入った感はあるんですけどね。

無駄な経験ではなかった1ヶ月

その会社に10年ほど勤めたあと転職するんですが、その頃には今の父親の会社に入ろうと考えてたりしたのでどうせなら建築系の会社に入って経験を積むのもいいかなと思って、転職情報誌を見て神戸のとあるリフォーム系の会社を選びました。
ずっと地元で働いていたのでちょっと都会の神戸の会社に出社するっていう憧れがあったのもその会社を選んだ理由なんですが。

神戸市中央区のビルにあった本社に行って面接を受けたのですが、面接の担当者がすごく若くて、たぶん22か23歳ぐらいじゃなかったかな。しかも若干チャラい。あれっと思ったんですがまあ建築系だからそんなこともあるか、人を見た目で判断したらダメだしなと、素直に志望動機やらやる気をアピールしたら、あれよあれよという間に簡単に採用になって。営業職として神戸市の西灘という場所にあった支店勤務になりました。

数日後全国の支店の途中入社の社員約20人が集められて、兵庫県の赤穂市にある研修施設で研修があったのですが、まあこの研修がすごかった。
研修施設とは名ばかりの山奥の一軒家に約1週間、携帯電話は取り挙げられ一切外部と連絡ができない軟禁状態にされて、毎日の早朝マラソン、大声で社訓を読んで、声が枯れるまで変な歌を歌わされ、JR赤穂駅の前で大声で自己紹介、挨拶をさせられ、研修担当の社員の合格が出るまでただただそれの繰り返し、変な宗教に入って洗脳されてるような感じ。

研修が終わってみんなで神戸の本社に戻る時には研修に参加していた他の途中入社の社員とも仲良くなって、一緒にあの試練を乗り越えたことで一体感が生まれて、一緒に頑張ろうなと硬い団結力があったことは確かです。

その後営業職の研修で、その会社がいわゆる悪徳リフォーム会社で、人を騙して法外な金額で家をリフォームする会社だとわかったんですが、あの赤穂での研修の効果なのか辞めようとは思わなかったんです。少しでも先輩の営業トークを盗んで実績を挙げて出世してやろうと本気で思ってましたし、実際にガンガン営業してました。
契約が取れると歩合の給料が増えるし、次から次へと社員が辞めて新しい社員が入ってくるからすぐに立場が上になるしね。

毎朝始発の電車で西灘の支店に行って、数名のチームでその日営業する地域に電車で移動して、近くのコンビニで地図を渡されて自分の担当するエリアの家を片っ端から訪問して、「近くで工事をするから」と嘘のトークをしてついでに点検しましょうかというパターンの営業をしてました。
1日に100件以上訪問して、1件か2件安い工事の契約が取れて、その契約をきっかけにして家の他の箇所のリフォームに繋げるという悪徳リフォーム会社の常套手段です。

全く契約が取れないと上司にボロクソに言われて、うまく契約が取れるとその日は支店まで上司の車に乗せて帰ってもらえる。
契約が取れない社員が営業中にいなくなるなんてこともあったり、逃げた社員を仕事そっちのけで追っかけたりもしました。

まあさすがに良心の呵責に耐えきれなくなって1ヶ月ほどで辞めましたけどね。

この経験があるから今の仕事でお客さんに被害に合わないようにするアドバイスができるし、ブログで実体験を元にした悪徳リフォームに関する記事も書くことができてます。

苦い経験だったけど、決して無駄な経験ではなかったのかなと思います。
が、あの当時営業をして騙したお客さんには本当に申し訳ない気持ちです。


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岡 公司
播州瓦工業株式会社 専務取締役 ゴルフ好きな屋根屋の岡 公司です。 屋根工事という仕事を通じて屋根に関すること、瓦の独自の価値をもっと伝えたいという思いでブログを書いてます。 仕事と同じくらい、いや仕事よりも好きだったりするゴルフのことも発信してたりもして、とにかく自分の好きな事、楽しい事をFacebook、Twitter、Instagram、ブログ、ニュースレターで発信しています。

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